紛争解決手続代理業務

<個別労働関係紛争解決をサポートするADR代理業務> 労働にかかわるトラブルが発生したとき、ふと思い浮かべるのが裁判です。しかし、裁判はお金も時間もかかります。また、裁判の内容は一般に公開されるので、経営者と労働者が互いに名誉や心を傷つけあう結果にもなりかねません。 そんなときこそ、ADR(裁判外紛争解決手続)の出番です。ADRとは、裁判によらないで、当事者双方の話し合いに基づき、あっせんや調停、あるいは仲裁などの手続きによって、紛争の解決を図ります。
(1)特定社労士の主な業務内容
ADR代理業務は、特定社労士が行うことができる業務です。
特定社労士は、トラブルの当事者の言い分を聴くなどしながら、労務管理の専門家である知見を活かして、個別労働関係紛争を「あっせん」という手続きにより、簡易、迅速、低廉に解決します。
※社労士が特定社労士になるには、「厚生労働大臣が定める研修」を修了し、「紛争解決手続代理業務試験」に合格後に、その旨を連合会に備える社会保険労務士名簿に付記しなければなりません。
(2)あっせん申立てに関する相談・手続き
問題解決の豊富な経験を有する特定社労士が、皆さまに代わって「あっせん」に必要な手続を漏れなくスピーディーに行います。
(3)代理人として意見を陳述・和解の交渉・和解契約締結
確かな知識を持った労働問題の専門家である特定社労士は、皆さまのお考えを法的に整理し、円満な解決に導きます。
(4)具体的な内容
  ・都道府県労働局及び都道府県労働委員会における個別労働関係紛争のあっせん手続等の代理
  ・都道府県労働局における障害者雇用促進法、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、労働者派遣法、育児・介護休業法及びパートタイム・有期雇用労働法の調停の手続等の代理
 ・個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続における当事者の代理(単独で代理することができる紛争目的価額の上限は120万円)
※代理業務には、依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理を含む。

社労士会労働紛争解決センター

全国47都道府県にある社労士会では、職場のトラブルを話し合いで解決するための機関として、社労士会労働紛争解決センター(以下「解決センター」という。)を設置しています。
特定社労士が解雇や賃金の問題など、職場のトラブルの当事者双方の言い分を交互に聴きながら、適切な和解案を提案し、話し合いによって円満解決を図る民間の機関です。
解決センターは、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)」に基づく法務大臣の認証と、社会保険労務士法に基づく厚生労働大臣の指定を受けて、「あっせん」という手続により、円満解決を図る機関です。
あっせんは、経営者と労働者のみなさまに、それぞれの意見を別々に伺ったうえで、適切な和解案をご提案し、話し合いをもって和解を目指すものです(経営者と労働者のみなさまが、直接対面することはありません。)。
裁判のようにどちらかが「勝った」、「負けた」ではなく、双方が納得したうえでの解決が図られます。